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地位確認請求事件の第2回目の口頭弁論期日が行われました

第2回口頭弁論期日のご報告

地位確認請求事件(平成28年(ワ)第354号 地位保全等仮処分申立事件(平成22年(ヨ)第3号)の本訴事件)の第2回口頭弁論期日が2月13日に行われました。今回も多くの皆様から傍聴ご支援を戴きました。心より感謝致します。

今回の期日に先立って,被告キヤノン電子労働組合から第1準備書面が提出されましたので,原告眞壁とし子は,被告の答弁書及び第1準備書面に関して,その不明な点について,口頭で求釈明を行いました。

解雇事件の場合,立証責任は,被解雇者の労働者側ではなく,解雇者の使用者側にあることが,判例法,国会,労働契約法から明らかにされています。

このことは,厚生労働省「平成15年10月22日 基発第1022001号 労働基準法の一部を改正する法律の施行について」の「労働基準法の一部を改正する法律案に対する附帯決議」にも「二 本法における解雇ルールは、解雇権濫用の評価の前提となる事実のうち圧倒的に多くのものについて使用者側に主張立証責任を負わせている現在の裁判上の実務を何ら変更することなく最高裁判所判決で確立した解雇権濫用法理を法律上明定したものであることから、本法による改正後の第十八条の二の施行に当たっては、裁判所は、その趣旨を踏まえて適正かつ迅速な裁判の実現に努められるよう期待する。」と明記されているとおりです。

したがって,最初に行うべき,解雇理由に関する事実関係(解雇の正当性・解雇権の濫用に関する評価根拠事実,評価障害事実ではなく,単なる事実の確認)の立証については,使用者側が行うべきと考えます。

今回の期日では,これを踏まえて,求釈明を行いました。後項2において,7つの求釈明のうち,6つについて載せてあります。

1 訴訟進行

今回の口頭弁論では,

  • @ 裁判所から,原告に対して,「原告が,被告に対して,求釈明を提出していること」の確認,
  • A 原告から,被告に対して,「被告の第1準備書面及び別紙に関する誤記」の確認,
  • B 原告から,被告に対して,口頭にて,7点について釈明を求める,
  • C 日程について,
    • @ 被告は,前項@及びBの求釈明について,3月13日(月)までに,書面にて回答すること,
    • A 原告は,被告の答弁書及び第1準備書面に対して,5月15日(月)までに,書面にて反論すること,

    の確認,

  • D 原本確認,
  • E 次回期日の決定,

を行いました。

2 求釈明

(1)被告第1準備書面の別紙「解雇理由1記載の行動の一例」には,解雇理由1の事例が19列挙されている。

本件に先立つ,さいたま地方裁判所秩父支部平成22年(ヨ)第3号 地位保全仮処分命令申立事件において,被告は,解雇理由1の19の事例のうち,事例5,9,15及び18に対応する音声記録を証拠として提出している。

そもそも,解雇の正当性を立証すべきは被告にある。

そこで,解雇理由1から19までの事例の事実関係について,音声記録及びその反訳を提出する予定があるのかについて,釈明を求める。

(2)複数の実施事業所から構成される確定給付企業年金法に基づく企業年金において,実施事業所毎に異なる給付設計を設定する旨の規約について,厚生労働大臣の承認・認可を受けることは法的に可能である。このような給付設計を行うことは,一般に「グループ区分」と呼ばれ,ぜんこくDB企業年金基金(認可番号 厚生労働大臣認可 海基第002841号)の実例も存在する。

このような給付設計が法的に可能であることについて,被告は,

  • @ 本件解雇当時,知っていたか否か,
  • A 平成29年2月13日時点,知っているか否か,

の2点について釈明を求める。

(3)解雇理由2に「ひいてはキヤノン企業年金基金との統合も不可能になることを承知の上で反対した」とあり,趣旨としては「キヤノン企業年金基金と統合するために,反対する原告を解雇した」ことになる。

そこで,平成29年2月13日時点において,キヤノン企業年金基金とキヤノン電子企業年金基金は統合しているのかついて,釈明を求める。

(4)被告は,原告に対して,平成21年12月25日付回答書(甲8)にて,平成21年12月7日付質問書(甲7)記載の

  • @ 質問7に対して,「7.規約変更による予測される基金の情報開示について 2011年3月末までに出来る限り開示いたします。」,
  • A 質問8に対して,「8.確定拠出年金制度で選択できる運用商品の資料について 2011年3月末までにお渡しします。」,
  • B 質問9に対して,9.確定拠出年金制度における投資教育について 2011年3月末までにお知らせします。」,

と回答している。

しかし,原告が確認する限り,平成23年3月末を経過しても,被告から,原告に対して,前項@からBまでに関する具体的な回答,すなわち,規約変更による予測される基金の情報の開示・確定拠出年金制度で選択できる運用商品の資料の配付・確定拠出年金制度における投資教育の計画の開示は一切されていない。

被告は,原告に対して,前項@からBまでに関する具体的な回答を行ったのかについて,釈明を求める。具体的な回答を行った場合は,具体的にどのような回答を行ったのかについても釈明を求める。

(5)文書「退職年金制度改定の申し入れに関する件(速報)」(甲5),文書「退職年金制度改定に関する件」(甲6)及び「基金型企業年金規約変更の許可について」(乙44)で示される給付減額を含む規約変更に関して,被告は,原告に対して,「原告が,当該給付減額に不同意すると,他の実施事業所においては当該給付減額を行う旨の規約変更も不可能になる」旨の説明を行ったことがあるのかについて,釈明を求める。当該説明を行ったことがある場合は,具体的にどのような説明を行ったのかについても釈明を求める。

(6)前項(5)の規約変更に関して,被告は,原告に対して,「当該規約変更に不同意の場合には解雇する」旨の説明を行ったことはあるのかについて,釈明を求める。当該説明を行ったことがある場合は,具体的にどのような説明を行ったのかについても釈明を求める。

第3回口頭弁論期日の傍聴ご支援のお願いについて

裁判所に対して,本事件の公共性を強く示すと同時に,公正な審理を強く求めるためにも皆様の傍聴支援を賜りますよう宜しくお願い致します。

また,裁判終了後,報告集会及び意見交換会も行いますので,ご参加くださいますよう宜しくお願いいたします。

第3回期日 平成29年5月22日(月) 午後 3:00 開廷

さいたま地方裁判所熊谷支部 401号法廷(4階)

※ 裁判終了後,報告集会及び意見交換会を熊谷コミュニティセンターにて行う予定でいます。

損害賠償請求事件の一部勝訴の判決が確定しました!

最高裁が,双方の上告・上告受理申立てを棄却

平成28年6月21日,最高裁判所第三小法廷は,キヤノン電子株式会社及びキヤノン電子労働組合の共同の退職強要に対する損害賠償請求事件に関する,眞壁とし子,キヤノン電子株式会社の上告・上告受理申立て及びキヤノン電子労働組合の上告受理申立てのいずれも,棄却・不受理しました。

この結果,控訴審の一部勝訴の判決が確定しました。

したがって,控訴審の一部勝訴の判決,

  • @ 賃金請求権に基づく,一時金の未払い分の全額の支払い,
  • A キヤノン健康保険組合とキヤノン電子健康保険組合の合併の際に,キヤノン電子株式会社とキヤノン電子労働組合が,眞壁とし子に対して,共同で行った不法行為に対する損害賠償の支払い,

が確定しました。

特に,眞壁とし子の使用者ではない「キヤノン電子株式会社による不法行為」の存在も確定したことは,本当に画期的なことです。

このような結果が得られましたことは,ひとえに,多くの皆様のご支援の賜物と,心より感謝しています。本当にありがとうございます。

確定した判決内容

上述の@Aについては,次のように主文が変更されています。また,Aに関する「第3 当裁判所の判断」についても次のように変更されています

なお,控訴人は眞壁とし子,被控訴人はキヤノン電子株式会社とキヤノン電子労働組合です。一部,控訴人会社とありますが,キヤノン電子株式会社のことを指しています。

また,平成18年当時,A氏はキヤノン電子労働組合の執行委員長,I氏はキヤノン電子株式会社の取締役,M氏はキヤノン電子株式会社の人事副部長兼キヤノン電子健康保険組合常務理事です。

「主文」の変更

主          文

1 控訴人の本件控訴及び当審における追加請求に基づき,原判決を次のとおり変更する。

(1)被控訴人らは,控訴人に対し,連帯して,3万3000円及びうち3万円に対する平成21年9月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

(2)被控訴人キヤノン電子労働組合は,控訴人に対し,310万4500円及びうち187万1100円に対する平成21年9月10日から,うち61万6700円に対する同年12月11日から,うち61万6700円に対する平成22年6月16日から,各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

「第3 当裁判所の判断」の変更

(6)原判決35頁21行目の「説明したものであり,」〜22行目を「誤った説明をした上,関東信越厚生局に問合せをした控訴人に対し,今後そのようなことをしないようにとの命令を下していることが認められる。弁論の全趣旨によれば,当時,退職勧奨を受けた上に,政府管掌保険や国民健康保険に加入できるかどうかすらも曖昧な状態に置かれた控訴人が,将来に対する不安や焦燥を覚えていたことは明らかであるところ,控訴人に対する退職勧奨等をした当のA氏が,更に控訴人に対し,誤った説明をしたばかりか,命令をもって行政機関に対する問合せまでを禁じたことについては,社会的相当性を欠き,A氏が執行委員長を務める被控訴人組合の不法行為を構成するものというべきである。」と改める。

(9)原判決36頁8行目〜38頁3行目を以下のとおり改める。

「 しかし,当時,キヤノン電子健保以外のキヤノングループの健康保険組合には労働組合が雇用している者が被保険者となっている例がなかったというだけでは,被控訴人会社のI氏やM氏が被控訴人組合に対し,専従書記が新たな健康保険組合に加入することのないように働きかけることについて,合理的な根拠があるとはいえないし,そもそも上記のような例のないことを聞き及んでいたかのようにいうI氏の証言は,客観的な裏付けを欠き,直ちには採用できない。控訴人会社は,当審において,I氏の証言を補完するものとして,平成18年6月,7月の時点でキヤノン労働組合が直接雇用していた従業員が存在せず,キヤノン労働組合が従業員を直接雇用したのは同年8月1日である旨が記載されたキヤノン労働組合の回答書(丙26)を提出したが,上記回答書の記載は一定の時点での事実の有無に関するものであるのに対して,I氏の証言は時点を限定しない過去の事例の有無に関するものであるから,上記回答書の記載によってI氏の証言が補完されたものとみるのは困難というほかない。他に,I氏の考えや言動に関する被控訴人会社の主張事実を認めるに足りる証拠はない。さらに,I氏が,平成18年6月,7月の時点でキヤノン労働組合が直接雇用していた従業員が存在しないと聞き及んだことに基づいて,専従書記はキヤノングループの健康保険組合に加入すべきではないと考えたとすれば,その思考過程には看過し難い飛躍があるというべきである。

以上によれば,M氏及びA氏を介したI氏の控訴人に対する働きかけは,社会的相当性を欠き,I氏が取締役を務める被控訴人会社の不法行為を構成する(これまでに認定した事実によれば,被控訴人組合の不法行為と客観的な関連性を有し,共同不法行為となる。)ものというべきである。」

損害賠償請求事件控訴審の一部勝訴について,ニュースサイト「MyNewsJapan(マイニュースジャパン)」に記事が掲載されました

損害賠償請求事件の提訴時に記事にして頂いたキヤノン電子と労組が社員にイジメ 一時金大幅カット、隔離部屋に島流し | MyNewsJapanに引き続き,控訴審で一部勝訴したこともキヤノン電子と労組の共同不法行為を東京高裁が認定 職員解雇めぐり、一時金減額分310万円支払いの仮執行命令も:MyNewsJapanと記事にしていただきました。

ニュースには,本事件の詳細について,控訴審判決文も含めて,詳細に説明されています。ぜひご覧下さい。

更新情報

このホームページの主旨について

このホームページは,国民生活労働組合の執行委員長である,眞壁とし子の解雇無効を求めるためのホームページです。

具体的には,企業年金の給付減額に対して,不同意の意見表明したことを,最大の解雇理由とするキヤノン電子株式会社の企業内労働組合である,キヤノン電子労働組合の従業員であった眞壁とし子の解雇事件(平成23年(ラ)第1885号)について,公正な審理を求めています。

なお,企業年金とは,退職金の分割支払いです。退職金ですから,後払いの賃金です。

本事件の問題と影響について

本事件は,国が保障しているはずの,企業年金(確定給付企業年金及び確定拠出年金)の加入者の権利が問われており,国が保障する年金制度の,国民の信頼を根幹から失わせる可能性のある,重要な裁判です。

少なくとも1107万人の加入者の権利及び保護に悪影響を与えかねない,大変,社会的な影響も大きい裁判です。

このホームページのスタンスについて

公正な審理を求めるにあたり,このホームページでは,本事件の背景となる企業年金について言及した上で,さいたま地方裁判所秩父支部の飯塚宏裁判官の原審決定(平成22年(ヨ)第3号)の不当性を明らかにしていきます。

飯塚宏裁判官の原審決定(平成22年(ヨ)第3号)の不当性については,「本事件の概要」「佐藤名誉教授の意見書」「年金解雇の詳細」の3つの内容の順に,明らかにします。

情報公開について

本事件に関係する,準備書面,書証等は,公開の検討が済み次第,「各種資料」にて,随時,公開していく予定です。

不備な点については,予めご了承下さいますよう,宜しくお願い致します。

本事件を考える上での注意点について

眞壁とし子は,キヤノン電子労働組合に直接雇用された事務職の従業員であって,キヤノン電子労働組合の組合員ではありません。これは,キヤノン電子労働組合とキヤノン電子株式会社の労働協約の第6条(組合員の範囲)に規定されています。

当該規定自体は,キヤノン電子労働組合とキヤノン電子株式会社はユニオン・ショップ協定を結んでいますので,ごく自然なことです。

しかし,当該規定がある以上,眞壁とし子は,組合の運動方針に関して,口出しを一切できない立場です。

そうであるにもかかわらず,組合は「組合員が,同意し,決定した,運動方針による,従業員の不利益変更については,従業員が反対することは一切許されない」旨の主張をしています。

しかし,キヤノン電子労働組合が労働組合であったとしても,眞壁とし子にとっては「使用者」です。 したがって,労働条件の不利益変更に関しても,労働契約法(労働契約の原則)第3条第1項「労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきものとする。」に従い,あくまで,キヤノン電子労働組合は「使用者」,眞壁とし子は「労働者」として,扱われなければなりません。

そして,実際にも,後述の損害賠償請求事件においては,組合が,眞壁とし子の一時金を一方的に減額したことは,不当な減額として確定しているのです。

当該判決自体が,労働契約法第3条第1項に従い,組合と眞壁とし子が,対等の立場として,労働契約を締結していることを明らかにしているのです。

もう一つの訴訟(損害賠償請求事件)について

本件解雇事件に先立つ,キヤノン電子株式会社及びキヤノン電子労働組合の共同の退職強要に対する損害賠償請求事件では,

  • @ 賃金請求権に基づく,一時金の未払い分の全額の支払い,
  • A キヤノン健康保険組合とキヤノン電子健康保険組合の合併の際に,キヤノン電子株式会社とキヤノン電子労働組合が,眞壁とし子に対して,共同で行った不法行為に対する損害賠償の支払い,

が確定しました。

詳細については,「現在までの経過」「損害賠償請求事件」や,損害賠償請求事件が掲載されたニュースサイト(MyNewsJapan「キヤノン電子と労組が社員にイジメ 一時金大幅カット、隔離部屋に島流し」キヤノン電子と労組の共同不法行為を東京高裁が認定 職員解雇めぐり、一時金減額分310万円支払いの仮執行命令も:MyNewsJapan)をご覧ください。

佐藤昭夫早稲田大学名誉教授(法学博士)の意見書について

本事件の概要については,「本事件の概要」にまとめていますが,企業年金に関する事件であるため,正直に言うと,概要といっても分かりにくいと思います。

しかし,飯塚宏裁判官の原審決定(平成22年(ヨ)第3号)の不当性については,早稲田大学名誉教授であり,法学博士である,佐藤昭夫氏が,端的に,的確に,しかも平易に,「意見書」としてまとめられています。

原審決定の本質的な問題については,ぜひ,「佐藤名誉教授の意見書」をお読みください。

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